昨今では企業が人を採用するにあたってバックグラウンド調査を行うところが増えています。この調査は採用調査とも雇用調査とも呼ばれ、その人物の背景を広範囲に渡って調査するものです。内容としては履歴書や職務経歴書の記載内容に偽りがないかどうかを確認しますが、その延長で犯罪歴や破産歴の有無も調べます。
KCCではバックグラウンド調査の一環で「聞き込み調査」も行っています。聞き込み調査と聞くと露骨で大げさなものを想像するかもしれませんが、実際としては極めて自然に本人に知られることなく行われるものでイメージとは大分違うと思います。そこで今回はこの「聞き込み調査」についてお伝えしたいと思います。
聞き込み調査の有用性、信頼性
採用調査の一環で「聞き込み調査までやる必要があるの?」とお考えの企業様もいらっしゃるかもしれません。しかし、私たちは聞き込み調査でしか得られない情報があることを知っているからこそ、あえて聞き込み調査を行っているのです。履歴書/職務経歴書の記載内容やSNSの投稿内容は、いわば読まれることを前提に応募者本人により作成されたものなので、そこに書かれていることの真偽は確かめないとわかりません。
しかし聞き込み調査に関しては、本人の知らないところで第三者を通じて日常の様子を調べるものなので、応募者の無防備な素の姿が露わになることがあります。
聞き込み調査では居住地の周辺住人の方などにお話を聞くこともありますが、その中には昔から応募者を知る方も多く、生い立ちなども含めた長期視点で見た人物背景を得ることができます。このように聞き込み調査では客観的かつありのままの応募者の情報が引き出せるので、極めて有用で信頼性の高い調査だと言えます。
聞き込み調査はどのように進めるの?
聞き込み調査は本人に知られることなく行うのが鉄則です。そのためには、調査前の入念なリサーチが必要です。 調査対象である応募者の性別、年齢、居住スタイル(実家or一人暮らし)、居住地(都市部or地方)などを調べ、どのような設定でどのような人に聞き込みを行うのか慎重に決めていきます。そして採用を検討している企業様が、応募者の何にひっかかっていて何を知りたいのかによっても手法は変わってきます。
私たちは民生委員や児童相談所の職員、環境調査員などを装い、広く近隣の情報を集めている体裁をとることもあれば、古い友人を装うこともあります。
いずれにしても聞き込み相手としては本人と接点がないことが前提となるので、目立った行動もなく特に問題がない場合には引き出せる情報が少ない可能性もあります。
また、聞き込み調査のにはこちらから質問を投げかけるのではなく、相手が自分から話したくなるような心理誘導をします。
もし仮に質門をする場合には、はい/いいえで答えられるような質問ではなく、相手が自由に発言できるような回答のレンジの広い質問をします。相手が気持ち良くどんどん自分から話をしたくなるような雰囲気を出すことも大事です。
聞き込み調査でどんなことがわかるの?
聞き込み調査では応募者の生活の様子、人と接する態度、性格など様々なことがわかります。地域の住人は例え応募者と面識がなくても、知らず知らずのうちにその生活を垣間見ているものです。
一人暮らしの場合には友人知人の出入り、帰宅時間、スーパーでの買い物の様子、ゴミ出しのマナーなど、生活圏を同じくしている人から得られる情報は多岐に渡ります。
また実家暮らしの場合には疎遠になってしまった昔の同級生や親の知り合いなどに聞き込みをし、幼少期の性格や人と接する態度などを知ることができます。これらは就職活動に特化したおあつらえ向きの情報でなく日常を切り取ったリアルな情報なので、応募者の“ひととなり”を知るには極めて参考になる情報と言えるでしょう。
応募者本人にばれないの?
KCCは聞き込み調査を行う前に徹底した事前調査を行っているので、聞き込み調査をしているという事実を本人が知ることはまずありません。私たちが一番注意をしているところは、聞き込みをした相手から本人にその事実が伝わってしまうことです。そのため本人と接点がなく、且つ本人の情報を引き出せそうな方をピックアップして聞き込みを行います。KCCの調査員は、調査の際に児童相談所の職員や民生委員などを装うこともありますが、そのような際には「この辺で変わった様子があるお宅はありますか」と調査の一環で地域を回っている体裁で聞き込みをします。
もし仮に応募者の日常に目立った行動があれば、近隣の住人の知るところになるので「そういえば、あのお宅ではいつも夜に怒鳴り声が聞こえるわ」などと思いがけない事実を聞くこともできます。このように本人を知らなくても近隣の住人は何かしらの情報を持っているので、応募者本人が知らないところで調査を進めることは可能なのです。
・・・ 聞き込み調査についてご理解いただけたでしょうか。KCCの聞き込み調査は、調査手法のクオリティの高さと調査内容の信頼性において絶対的な自信があるものです。採用の不安を少しでも軽減するために、バックグラウンド調査の一環として聞き込み調査も併せて行うことをお勧めします。