中途採用のトラブルはリファレンスチェックで回避できるのか?

こんにちは、KCC(企業調査センター)です。 KCCでは企業のトラブルを未然に防ぐバックグラウンド調査からトラブル発生後の原因調査まで、企業が成長し続けるためのあらゆるリスクの排除を目的に幅広いサービスを提供しています。

今回のテーマは中途採用におけるリファレンスチェックの重要性です。中途採用は新卒採用と違って短期戦になることも多く、企業は限られた時間の中で応募者がアピールしている内容を精査しなくてはなりません。「申告している内容と実際が違った」「面接時の印象は良かったけれど入社したら人が変わった」などは中途採用でよく聞かれる話です。
そこで、これらの「こんなはずじゃなかった!」を防ぐための手段として、リファレンスチェックがどれほどの効果があるのか説明させていただきます。

中途採用でよくあるトラブルとは?


新卒と中途採用の最大の違いは、社会人経験の有無ではないでしょうか。当たり前ですが中途採用者には職歴があり、実績があり、構築された人間関係が確かに存在しました。人の過去からわかることは多々ありますが、残念ながらそこにはネガティブな要素が含まれている場合もあります。そして中途採用でよくあるトラブルとは、まさにこれらネガティブな過去から派生しているものになります。一体どのようなものがあるのでしょうか。

・犯罪歴の発覚


中途採用で入社した社員に犯罪歴があった。
まさかと思うかもしれませんが、実はそれほど珍しい話ではないのです。
窃盗や傷害事件のような荒々しいものはさすがに多くはないですが、大麻やパーティードラッグが若い世代に流通している昨今では「たまたま」これらを使用して運悪く捕まってしまったというケースもあります。
過去の犯罪歴で解雇ができるかどうかはケースバイケースですが、採用前に発覚していたら入社には至らずリスクを回避できたはずです。

・兼業/副業の発覚


テレワークの普及に伴い兼業/副業のハードルが大きく下がりました。
大企業においても兼業/副業をOKとするところが増え始め、今やパラレルキャリアは時代のトレンドとも言えるようになりました。しかし全ての企業がこの波に乗っているわけではなく、まだまだ日本の企業では兼業/副業を禁止しているところもあります。そのような企業において問題となるのが、社員が隠れて兼業/副業をしているケースです。
一概に兼業/副業と言っても内容やそこに割かれる時間がまちまちなので何とも言えないですが、会社に隠して行っているという時点で悪質と言えるでしょう。こちらも正当な解雇理由になるかどうかは状況次第なので、その後の対応は慎重に考えなくてはなりません。

・金銭問題


金銭問題も様々ですが、詐欺や横領のような犯罪と呼べる類のものではなく軽度の借金や未払い/滞納などのトラブルを抱えているケースは多々あります。
金銭問題の意味するところは生活に支障をきたすほどの浪費癖や金銭感覚の麻痺ということもありますが、むしろ「計画性のなさ」「だらしなさ」などの人物の傾向もわかります。カードによる高額商品の衝動買いや公共料金の払い忘れなどは、社会人として、そして大人としていかがなものでしょうか。一事が万事です。中途採用では金銭問題から垣間見ることができるこれらの傾向にも目を向けるべきです。

・交友関係に懸念事項あり


社員の交友関係はプライベートなことなのであまり立ち入ったことはできませんが、もし日常的に行動を共にしている友人知人が良からぬ筋の人だったとしたらトラブルに繋がる可能性があります。特に暴力団や半グレなどの反社会勢力との交友関係は、自覚があるないに関わらず犯罪に関与してしまうことにもなりかねます。社員の不祥事は会社の名誉を大きく傷つけることになるので十分に対策する必要があるでしょう。

・人間性に懸念事項あり


中途採用のトラブルで最も根深いのが人間性の問題になります。
面接時には明るい印象を与えていた応募者が入社してみたら陰鬱な人だった、与えられた仕事はこなすけれど熱意が感じられない…このように致命的な落ち度ではないけれど、長く共に働く上で無視できないネガティブな要素を持ち合わせている社員の存在は、トラブルの芽となる可能性があります。

トラブルにはどのように対処すべき?


上記で述べたようなトラブルの中でも、社則に反するものや犯罪行為に該当するようなものに限っては然るべき処置をとることができます。しかし問題となってくるのは、法律や社則に反するわけでもなく実害があるわけではないけれど、企業の成長を阻むようなネガティブな要素を社員が抱えているというケースです。そう“人間性”に関することです。

中途採用のプロセスにおいて何回かの面接を行うことになるかと思いますが、そこでの印象が果たしてその人の全てなのでしょうか。笑顔、快活な受け答え、仕事に対する熱意などは採用活動という短期間においては如何様にでも演出できます。しかし、それらが入社後もそのまま持続されるかどうかははっきり言って未知数です。人には長期的な関わりの中で見えてくる本性や元来の性格などがあり、もしそこが企業と相容れなかったとしたら致命的ではないでしょうか。不平不満を露骨に表していながらも、明確な理由がないのでやめさせるわけにもいかないという状態は、他の社員にとってストレスにもなりかねません。

このような人間性に関するトラブルは、解決に時間と労力がかかり企業にダメージを与えます。理想としては、人間性に関するトラブルを抱えている人の入社を事前に回避することです。その方法として、リファレンスチェックは一つの選択肢になり得るのではないでしょうか。

中途採用のトラブルを未然に防ぐためにできること


中途採用で入社した社員のトラブルを未然に防ぐ方法としては、リファレンスチェックやバックグラウンドチェックなどをしっかりと行うことです。これらはすでに欧米では広く行われていますが、日本でもここ数年では外資系企業だけでなく国内企業でも広く行われるようになってきました。
形式だけの履歴書や職務経歴書、そして表層的な面接では真実がわからないということに企業は薄々気付いているのでしょう。そこで、自己申告として提出されたこれらが果たして本当のことなのかどうかを確かめるために各種の調査が必要となるわけです。

リファレンスチェックとバックグラウンドチェックについて簡単に説明すると、まずリファレンスチェックとは企業が中途採用を行う際に、応募者の前職での能力・評価・信頼性などを第三者に問い合わせることを言います。応募者の同意を得たうえで、応募者をよく知る前職の上司・同僚・部下あるいは取引先などから情報を収集することが一般的な方法となっております。一方バックグラウンドチェックでは仕事以外のことにも焦点を当て、職歴に関することはもちろんですが、応募者の生活全般を多角的に調べて懸念事項を洗い出します。
SNS調査や電話調査、現地調査など複数の調査を組み合わせて行うので調査精度に関してはバックグラウンドチェックの方が高いですが、リファレンスチェックもやり方次第では効果を上げることができるので利用してみる価値は大いにあるでしょう。

リファレンスチェックで何がわかる?リファレンスチェックは調査員次第!


リファレンスチェックでわかることは、一言で言うと応募者の「能力」です。中途採用においては特定のスキルを持った即戦力となるような人が求められるので、自己申告されている実績と実際の能力に乖離がないかどうかを第三者の証言から確認します。「応募者自らが選定した元上司や元同僚なので悪く言うはずがない」と思うかもしれませんが、そこは調査員の腕の見せ所です。

応募者の華々しい実績や手柄を滔々と述べるのを聞いた後で、調査員は核心を突くような質問をいくつか投げかけます。そして、準備していた回答では対応しきれない質問に対して、元上司や元同僚は思わず本音を言ってしまうのです。調査員はあら探しをするわけではありませんが、履歴書や職務経歴書に書かれている以上の何かを引き出すことにリファレンスチェックの意味があると思っているので、趣向を凝らして様々な変化球を投げるのです。

何れにしても応募者とリアルに関わりのあった人から直接話を聞くことで、情報の厚みがぐんと増します。プロの調査員であれば具体性のあるエピソードなどから仕事の能力だけではなく“人となり”までも推測することもでき、仕事の能力以外の人間性に関する部分までも情報収集することが可能です。リファレンスチェックはやり方次第で有益な情報を得ることができるので、採用後のミスマッチを回避するためにも取り入れてみてはいかがでしょうか。

テレワークが主流の時代だからこそ信用が問われる


ここ1〜2年で雇用形態は大きく変化しました。テレワークの普及、副業の解禁、頻発するリモート会議など、企業と社員が時間と空間を共有せずに業務が遂行される中で新たな課題にも直面しています。

テレワークの導入に際して課題となるのは情報漏洩、勤怠管理、チームビルディングなど挙げればきりがないですが、これらは社員の一人一人が社会人としての常識、そして人としての良識を備えていればクリアできる課題でもあります。要はテレワークにおいては企業と社員の信頼関係が築かれていれば概ね成立するということです。「細かく管理しなくても、きっとあいつならちゃんとやってくれているだろう」と思うのにはそれなりの年月が必要かもしれませんが、入社していきなりテレワークになってしまう昨今です。社員が信用に値する人物かどうかを少しでも早く見極めるためにも、リファレンスチェックは必要なのではないでしょうか。

中途採用のリファレンスチェックはKCCへご依頼下さい!


リファレンスチェックを導入する企業は年々増えていますが、それに伴いリファレンスチェックを業務としている会社も増えてきているのが現状です。私たちKCCは調査会社として20年の実績があります。調査能力、調査手法、調査精度、スピード、どれをとっても他社とは比べものにならないほど高いレベルとなっております。

他に特筆すべき点として調査レポートがあります。KCCの調査レポートは得られた情報をただ無味乾燥に列挙するのではなく、そこにプロとしての見解を盛り込み調査で得られた感覚的な部分も含めて言語化してお伝えするようにしています。具体的な内容としては「総評」「懸念事項」「判定」の他に面接対策としての質問例、入社後の対策としてマネジメントに生かせる応募者の性格や傾向までも記載しています。

採用活動は一時ですが、採用後の付き合いは長く続きます。採用後のミスマッチをなくすためにも、是非KCCのリファレンスチェックを取り入れてみてはいかがでしょうか。