変化の激しい現代社会では、1つの会社だけしか知らないことがリスクとされるようになってきました。 特定の会社でしか通用しないスキルではなく、どこでも通用するスキルが求められているからです。また、経団連の会長やトヨタ社の豊田社長の発言で話題となった「終身雇用の衰退」のように、1つの企業で生涯働き続けることに危機意識をもつ人も増えてきました。 これらの時代背景から、近年では日本でも「転職が当たり前」の世の中となりました。他方、企業の中途採用においては、応募者の経歴詐称が問題視されているのです。今回は、採用担当者が気をつけるべき経歴詐称にはどのようなものがあるのかについて、具体的に説明します。

経歴詐称にはどのような種類があるのか?

経歴詐称は、大きく学歴詐称と職歴詐称に区分できます。それぞれの経歴詐称の特徴について説明しましょう。

学歴詐称

「実際には中退しているが卒業と偽る」「通信制、定時制、夜間(2部)などを明記せずに通常の学部卒と偽る」といったものがほとんどです。 学歴調査は、学校へ電話をしても生徒の個人情報は教えてもらえないため、SNS調査を中心に進めていきます。 対象者のゼミやサークルなどの記録を調べ、実際にその学校に在籍していたかどうかを確認するのです。実際には中退していたにも関わらず「卒業」と詐称していることが発覚するケースは珍しくありません。全く在籍していなかったというケースもあるのです。中には「退学届け出してきた」と自らのSNSにコメントし、退学届けの画像が投稿されていたようなこともありました。

雇用形態

職務経歴書には「正社員」と記載されているのに、調べてみると「契約社員」や「パート・アルバイト」として雇用されていたということが非常に増えています。応募者は「偽ってもどうせバレない」と思っているようです。

在職期間

私たちが最も多く目にする経歴詐称は、在職期間の偽りです。特に「転職回数が多い」「経歴にスキマがある」応募者は要注意です。在職はしていたものの長期間にわたって会社を休んでいたような事実が判明することも珍しくありません。 「在職者のみを採用する」という採用条件にも関わらず、応募者はすでに退職しているようなこともあります。 全く在籍していない会社名を履歴書に記載する応募者はそうそういません。しかし、退職後の空白期間を埋めるために、在籍中のはずが半年以上前に退職しているようなこともあります。 現職の勤務状況を調査する場合、ネット調査と併せて、実際に在籍していることを電話で確認します。対象者が転職活動をしていることは通常会社は知りません。不信感をもたれないためにも、在籍確認を行う際は利用客などを装います。 前職の在籍を確認する場合は、本社や当時の勤務先の支店、店舗などへ調査のプロが問い合わせます。 本社で記録をお調べいただけることもあれば、当時の勤務先支店で「大体その時期にいました」と軽く答えていただけることもあります。 また、その際には在籍期間や雇用形態の確認も行いますので「実際には1年しか在籍していなかった」「雇用形態は正社員ではなくアルバイトだった」などの詐称が発覚するケースがあります。

役職

経歴書には「取締役」と明記されているものの、実際には「執行役員」だったケースや、「課長代理」の人が「課長」としてのキャリアをアピールしてくるようなケースは少なくありません。参考までに取締役は会社の登記簿に明記されますが、執行役員、部長、課長、係長はあくまでも会社の従業員であるため登記されません。

起業、自営

「過去に会社を立ち上げてビジネスをしていた」というような、いわゆる起業家の経歴書は要注意です。 実際に調査をしてみると、そもそも会社の登記が存在していない、または、登記はされているものの実態のないペーパーカンパニーであることが散見されます。昨今では、都心の住所を借りることを目的に「レンタルオフィス」を利用するビジネスパーソンが急増しています。1つのレンタルオフィスの住所を調べると300社以上の会社名がでてくることもあるのです。

海外勤務

外国人を含めて「海外勤務」の経歴は非常に慎重に査定をする必要があります。弊社(KCC)が調査した外国人の中には、過去に投資詐欺で複数回の逮捕歴のある応募者もいました。海外勤務の経歴は、詳しくチェックしてみると芋づる式に「好ましくない事実」が発見されることがあります。

経歴調査はプロに外注した方が合理的

私たちのような「調査のプロ」が応募者一人の学歴・職歴を調査するのに要する時間は約1時間ですが、ノウハウのない方ですと数日はかかってしまうことでしょう。また、現職会社への在籍確認を行う際は利用客などを装いますので、仕事内容を事前に把握する必要があります。また、調査を行っていることがご本人へ伝わらないように細心の注意を払います。 ネット調査、特にSNSの特定には専門的な調査スキルが必要ですので、ノウハウのない方が時間をかけてもプロ調査員と同等の結果を出すのは難しいでしょう。 調査にかかる人材コストとリスクを削減するには、プロの調査会社へお任せいただくことが最善です。弊社では従業員の採用、雇用に関する見えないリスクを、バックグラウンド調査によって見える化します。