たとえ履歴書や職務経歴書などから十分なスキルや能力が読み取れたとしても、当の本人に人間性の問題があったとしたら、後々組織に悪影響を及ぼしかねません。 しかしながら、人間性の問題はたかだか数十分の面接では見抜けないのが現実です。
そこで今回のコラムでは、応募者の人間性を見抜くことに限界を感じている人事担当者様を対象に、リファレンスチェックやバックグラウンドチェックを通じてこれまで1万人以上の求職者を調査・分析してきたプロが、面接で人間性を見抜くポイントを伝授します!
こんな人は人間性要注意?面接で人間性を見抜くポイント
1、 基本的に退職理由や志望理由は1.5倍増しで考える
退職理由や志望理由は話を盛って答えていることが多いと考えてよいでしょう。採用担当者に良い印象を持たれようと、事実を誇張して答える方は一定数います。
話を盛る分には多少はご愛嬌ですが、誇張ではなくそれが「嘘」であれば問題です。
厳しい言い方をしますが、嘘をつくような人間は会社に入れない方が賢明でしょう。
嘘を見抜くためには、少しばかり勇気がいるかもしれませんが次の質問をしてみるとよいでしょう。
「会社の規定で経歴について確認を行う場合がありますが、よろしいですか?」
この質問に対して、仮に応募者があまりにも話を盛りすぎていた場合は、真実がバレることを恐れて辞退するかもしれませんし、「実は……」と正直に言い始めるかもしれません。
仮に履歴書に記載されている退職理由や志望理由が真実であれば、調査されても問題ないはずなので、この質問をぶつけて動揺するかどうかを試してみる価値はあります。
2、本当にそのモチベーション維持できる?
面接の場で過剰に成長意欲や向上心をアピールするのは、その場しのぎであることも考えられ、入社後にギャップを感じることになりかねません。私たちの調査経験においても、成長意欲や自己アピールが強い人材は、前職調査をすると本人が言うほどのモチベーションを職場で発揮していなかったケースが多いです。
退職理由や志望動機に「キャリアアップ」「ステップアップ」と記載がある場合は、成長意欲や向上心の度合いを確認するべきです。
例えば、「情報収集はどんなツールを使うことが多いですか?ネット?本?」などと、具体的にキャリアアップするために何をしているのかを聞くとよいでしょう。 成長意欲があると言っているにも関わらず、志望している業界について入社前に勉強していない人間は、残念ながら入社してからも勉強しないことが多いです。
3、なぜこのタイミングで退職?
退職のタイミングが年度の途中など中途半端な時期の場合は、応募者には申し訳ないのですが疑ってみた方がよいでしょう。年度の途中などで社員が辞めるというのは、会社にとってはタイミングが悪いので、やむにやまれぬよほどの事情があったということかもしれません。例えそれが個人的な理由であっても、やめた理由についてはしっかりと聞いておくことをおすすめします。
4、前職の実績がすごい
採用担当者の中には、応募者の前職における実績アピールに圧倒されて、「すごい人だな」と話を聞くだけで質問を終えてしまっている方もいます。 しかし、「どのようにすごいのか」を具体的に知るためには、職務のプロセス、マネジメント人数、数値化された実績など、「すごい実績」の内容を職務経歴に合わせて細かく質問することをおすすめします。
そこで、話の内容と職務経歴の整合性が取れているかチェックし、話が盛られすぎていないか、時系列に矛盾はないかなどディテールを確認できます。
5、退職理由が外的要因である
面接で退職理由聞かれて、自分に原因があったと答える応募者はさすがにいないと思いますが、退職理由が上司、同僚、会社など自分以外に原因があったとする応募者の場合は、協調性に問題があると考えてもよいかもしれません。
ほとんどの仕事はチームワークで成り立っています。円滑な人間関係を築き、チームとして最高のパフォーマンスを発揮するためには、メンバーの協調性が重要であることは言うまでもありません。そこで、応募者の協調性を確かめるために、以下のような質問をしてみるとよいでしょう。
「プロジェクトをすすめる時、周囲の人とどのように協力することが多いですか」
「他人からからどのような性格の人物と言われることが多いですか」
「職場内で上司や先輩と接するとき、どのようなことを大切にしていますか」
「どのような人と接するのが苦手だと感じますか」
退職理由を周囲の責任と考えずに、時には自分の非も認められる人間の方が入社後一緒に働きやすいのではないでしょうか。
雰囲気で終えない。細かく具体的に深掘りすることがポイント
私たちが応募者の調査するときは、とにかく細かく具体的に情報を引き出し、雰囲気や印象で判断しないことを心がけています。面接も同様で、「この子いい子だな」と第一印象で思ってしまうと、その後の質問が甘くなってしまいがちですが、そのような判断が入社後のギャップに繋がってしまうのです。
そこで、面接の場では徹底して、「経歴」「職務内容」「志望動機」「業界の情報収集方法」などについて細かく質問し、その場の雰囲気で乗り切れないような状況をつくることを心がけましょう。
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