- 従業員に対するバックグラウンドチェックは、企業に損害をもたらすリスクを未然に防ぐことができます。もはや、採用時のバックグラウンドチェックは、雇用主の社会責任となっていると言って過言ではないでしょう。
- 一方で、個人情報法、プライバシー権といった言葉が一時よく取り上げられました。そのため、個人のSNSをはじめとした「調査」に対し、日本ではまだ「会社がそこまで個々の従業員に干渉してよいのか」と尻込みする経営者様が存在します。
- しかしながらアメリカ国内やグローバル企業では、採用前のバックグラウンドチェックはOKどころか企業の責任の一環となっており、適切なチェックを行わず採用・雇用した従業員が事件や事故を起こした時には、企業が採用責任、雇用責任を追及されます。
- 日本でもバイトテロや従業員の煽り運転などは、現代のネット社会では驚くほどのスピードで拡散されるだけでなく、ネットを駆使した特定班と呼ばれるユーザーにより、不祥事や問題が起きた場合、本人の氏名、経歴だけでなく勤務先まで晒されるようになりました。
- 特にSNSは、炎上がよく起きます。TikTokとX(旧Twitter)への投稿内容は注意してもし過ぎることはなく、ネットの特性として、過去の不適切行為も掘り返されることがあります。
- 一方、採用や雇用をする企業側からすれば、SNSできっちりチェックしておけば、ある程度、「やばい人物」を「やらかす前に」特定できるというメリットもあります。今回もそのような事例です。
叱られることに耐えられない若者の恨みは闇に向かう
- 今回のクライアント企業様は、新卒採用予定者に対してSNS調査を行うことにしました。それにはこのような背景があります。
- 最近、業界内で顧客情報の流出が囁かれていました。大きな声では言えないが…と前置きをされ、他社の顧客情報がダークウェブに流れている可能性があると仰ったのです。昨今、詐欺メールや不正請求が多発しているとの情報は、私どもも掴んでいましたが、事態は深刻なようで…。
- それが社員など関係者による漏洩なのか、何らかのサイバーアタックやスパイウェアによるものなのかは未だ不明とのことですが、クライアント様も両方の面からセキュリティを強化したいとのご要望でした。
- 本年度の新卒採用予定者にSNS調査を行いましたところ、そのうちの1名に重大な懸念点が見つかりました。
- 以前、人間関係に不満を抱きバイトを辞めた彼は、バイト先への腹いせに、店長の苗字やイニシャルを偽名として使い、会社、店長、ほかの従業員などの内部情報や個人情報をSNSやネット掲示板に投稿していたのです。機密情報、個人情報、そして名誉毀損にあたる内容が含まれており、また思い込みの激しい妄想のような内容もあり、軽くネット炎上していました。
- 更にはその内容の一部が、本人によるものか第三者によるものかは不明ですが、過激で、犯罪要素のある、グレーなサイトに転載されていることもわかりました。
- ここでは具体的にどのタイプのリスクであったかは明言いたしませんが、昨今、若者がお金欲しさで、また騙され、振り込め詐欺の受け子、口座売買、ロマンス詐欺などに手を出してしまう例がたくさんあります。他にも薬物流通、盗品売りさばき、人身売買などもあるようです。そのようなおぞましい情報が掲載されるようなサイトであったことは、お伝えさせていただきます。
- 繰り返し注意されたり厳しく叱られたという私怨から、逆恨みしたようです。だからといって個人や勤務先企業に損害を与えようという思考回路は、非常に危険と言わざるを得ません。また、他人の名前を使うなど悪質さも目立ちました。 本人にもそこに至るまでの事情や紆余曲折はあるでしょう。カッとなって暴言を吐きたくなることも、人間、あるでしょう。
- しかしながら、このような行動は許されるものではありません。その後、反省している様子もないことから、今後も感情的に公私混同したり情報漏洩するリスクがあるため、懸念ありとして報告いたしました。
漏れる個人情報…口座残高を根こそぎ奪われるケースも【企業の個人情報漏洩は信用失墜に直結】
- 皆様、メールボックスに大量の迷惑メールが配信されていませんか?その中には、フィッシングメールといって、銀行、クレジットカード会社、通信会社、大手ショッピングサイト、時には公的機関を騙り、メールに記載されているURLをうっかりクリックすると詐欺被害に遭うものが多数含まれています。
- また、クレジットカードやデビットカードの不正利用の被害に遭われたことがある方も、少なくないでしょう。
- 一体どこから、自分の名前やメールアドレスを手に入れたのか。皆、不思議に思っていると思います。一説によると、個人情報リストは昔から売買されており、物品やサービスを売り付けるため電話やDMでセールスをかけてくる業者の手元にわたると言われています。
- しかしながら最近の悪質さは、販売ではなく詐欺が多発しており、異常と言わざるを得ません。やはり闇バイトなど同様、ダークウェブや地下で、好ましからざる者の介入によりデータが売買されていることは想像に難くありません。
- 仮に自社がお預かりしている大切な顧客情報が、自社の従業員によりブラックマーケットに漏洩されたら…こうなると企業自体の信頼と根幹を揺るがしかねません。
- 「なんで怒られたからって、そういうことするんだよ。同僚と酒飲んで、嫌な上司の悪口言って憂さ晴らしてさ、クッソーって悔しさをバネに仕事頑張ってよう、そういうもんだろうよ。」我々の報告を聞いた経営者様は、団塊とバブルのちょうど間の世代。苦虫を嚙み潰したように仰いました。
【少しでも早く炎上の芽を積むことがコストパフォーマンス的にも優れている】
実際に「採用候補者または従業員の不適切な行動」を発見し対処した場合、次の3つの時点で時間的コストと金銭的コストがどれくらい異なるかを比較してみましょう。
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