- グローバル採用が広がる一方で、企業の採用実務には新しいコンプライアンス対応が求められています。
- 特に注意すべきなのが、米国を中心に拡大するFair Chance/Ban the Box法と、2026年12月25日に施行されるこども性暴力防止法、いわゆる日本版DBSです。 これまで採用前調査やバックグラウンドチェックは、「候補者の申告内容を確認するための手続き」と考えられてきました。
- しかし現在は、単に調査を行えばよい時代ではありません。
- 確認するのか。
- 何を確認するのか。
- 候補者にどう説明し、同意を取得するのか。
- 確認結果をどのように判断し、記録するのか。
- この設計を誤ると、採用リスクを下げるつもりが、企業側の法的リスクにつながる可能性があります。米国では、犯罪歴を持つ人材にも公正な就業機会を確保するため、Ban the Box法が広がっています。これは、応募書類の段階で犯罪歴の有無を質問する欄を外し、採用プロセスの早い段階で候補者を排除しないための制度です。Washington州の改正Fair Chance Actでは、犯罪歴情報の確認を条件付きオファー後に限定する動きや、犯罪歴と職務内容との関連性を個別に評価する手続きが重視されています。自動的に不採用とする運用は、今後さらにリスクが高まります。日本企業が米国拠点で採用を行う場合、または海外人材・外資系企業との取引・M&Aを進める場合、現地のFair Chance法、Ban the Box法、FCRAへの対応は避けて通れません。
- 一方、日本国内でも大きな変化があります。
- 2026年12月25日から、こども性暴力防止法が施行されます。学校、認可保育所、児童福祉施設、国の認定を受けた民間教育・保育事業者などでは、こどもに接する業務に就く人について、性犯罪歴確認を含む安全確保措置が求められます。対象となる事業者は、採用時だけでなく、配置前確認、現職者への段階的対応、取得情報の管理、就業制限や配置転換の判断まで、実務フローを整備する必要があります。
- ここで重要なのは、犯罪歴確認や採用前調査を「一律に厳しくする」ことではありません。必要なのは、職務内容に応じて、必要な範囲で、適正な手続きに沿って確認することです。
- 企業が今すぐ見直すべきポイントは3つです。
- 1つ目は、採用ポリシーと内部規程の見直しです。
- 犯罪歴、学歴、職歴、資格、リファレンスチェックを、どの職種で、どのタイミングで、どの範囲まで確認するのかを明文化します。米国採用では条件付きオファー前の確認制限、日本版DBS対象事業者では配置前確認と情報管理を採用フローに組み込む必要があります。
- 2つ目は、個別評価の体制づくりです。
- 犯罪歴が確認された場合でも、一律不採用ではなく、犯罪の内容、発生時期、職務との関連性、再発リスク、候補者からの説明内容を確認し、書面で判断過程を残すことが重要です。人事、法務、現場責任者が連携できる体制を整えるべきです。
- 3つ目は、同意取得と記録管理の徹底です。
- バックグラウンドチェックでは、候補者への説明、同意取得、調査範囲の限定、結果の保管、不要情報の廃棄まで管理が必要です。特に犯罪歴や性犯罪歴に関する情報は極めて慎重な取り扱いが求められます。 弊社では、グローバル企業、教育・保育関連事業者、管理職・専門職採用を行う企業向けに、採用前調査とバックグラウンドチェックの設計支援を行っています。
- 対応可能な内容は、採用ポリシー診断、職種別リスク整理、同意書・通知文面の整備、リファレンスチェック、学歴・職歴確認、海外採用時の調査フロー設計などです。
- 採用は、人材獲得であると同時に、企業を守る入口でもあります。Fair Chance/Ban the Box法、日本版DBS、FCRA、個人情報保護法への対応を後回しにすると、採用の遅延、候補者対応の混乱、行政対応、取引先からの信用低下につながる可能性があります。
- 今後の採用では、勘や慣例ではなく、法令に沿った確認手順が必要です。
- 採用前調査、バックグラウンドチェック、日本版DBS対応、海外採用時のコンプライアンス整備をご検討の企業様は、弊社までご相談ください。貴社の業種、採用職種、拠点国、リスク水準に合わせて、現実的な運用フローをご提案いたします。
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よくある質問
- Q1. Fair Chance/Ban the Box法とは何ですか?
- Fair Chance/Ban the Box法とは、採用の早い段階で犯罪歴の有無だけを理由に候補者を排除しないための採用規制です。米国では州や自治体ごとに内容が異なり、応募書類で犯罪歴を質問できない場合や、条件付きオファー後でなければ犯罪歴確認ができない場合があります。米国拠点で採用を行う日本企業は、現地法に合わせた採用フローの整備が必要です。
- Q2. 日本版DBSはどの企業・事業者に関係しますか?
- 日本版DBSは、子どもと接する業務を行う学校、保育所、児童福祉施設、認定を受けた民間教育・保育事業者などに関係します。学習塾、放課後児童クラブ、スポーツクラブ、習い事関連事業なども対象となる可能性があります。対象事業者は、採用時や配置前に性犯罪歴確認を行い、確認結果に応じた配置判断や情報管理を行う必要があります。
- Q3. バックグラウンドチェックはいつ実施すべきですか?
- バックグラウンドチェックは、職種や国の法規制に合わせて実施時期を決める必要があります。米国ではFair Chance/Ban the Box法により、犯罪歴確認を条件付きオファー後に限定している地域があります。一方で、学歴確認、職歴確認、資格確認、リファレンスチェックは、候補者の同意を取得したうえで、最終選考段階から内定前後に実施するのが現実的です。
- Q4. 犯罪歴が確認された場合、企業は不採用にできますか?
- 犯罪歴が確認された場合でも、一律に不採用とする運用は避けるべきです。特に米国では、犯罪の内容、発生時期、職務との関連性、候補者の説明内容などを個別に評価することが求められる場合があります。日本版DBSでも、確認結果の取り扱いには慎重な判断が必要です。企業は、判断理由を記録し、人事・法務・現場責任者で確認できる体制を整える必要があります。
- Q5. 採用前調査を外部に依頼するメリットは何ですか?
- 外部の専門会社に依頼することで、調査範囲の設定、候補者への同意取得、学歴・職歴確認、リファレンスチェック、海外採用時の確認手続きまで整理しやすくなります。自社だけで対応すると、法令違反、確認漏れ、候補者対応の不備、個人情報管理の問題が起きる可能性があります。専門会社を活用することで、採用スピードを落とさず、法令に沿った安全な採用前調査を実施しやすくなります。
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