【調査事例】職務経歴書では在籍中。しかし確認すると「1年」が消えていた

中途採用候補者の履歴書と職務経歴書を確認した結果、在籍期間に約1年の空白が見つかったバックグラウンドチェック事例を示す画像

中途採用を進めていた企業から、候補者の職歴確認についてご依頼をいただきました。

履歴書と職務経歴書だけを見れば、転職歴に大きな空白はありません。複数の企業で途切れることなく勤務し、実務経験も十分にあるように見えました。

ところが、在籍期間を一社ずつ確認していくと、申告された期間と確認できた期間が一致しませんでした。

差は、約1年。

勤務先として記載されていた企業、関連情報、確認可能な公開記録などを調べましたが、その1年間については、どこで、どのような契約形態で働いていたのかを裏付けることができませんでした。

短期離職を伏せたのか。別の仕事をしていたのか。単純な記載ミスだったのか。

理由は現在も分かっていません。

調査会社が確認できるのは、事実として裏付けられた範囲までです。説明できない期間が見つかったとしても、それだけで意図的な経歴詐称と断定することはできません。

今回も企業には、「確認できた在籍期間」「申告内容との相違」「確認できなかった1年間」を分けて報告し、最終的には候補者本人へ説明を求めるようお伝えしました。

最も多いのは在籍期間と勤務形態の違い

KCCが2025年以降に受託し、確認可能な範囲まで調査を進めた中途採用向け案件では、現在までにおよそ30%で、候補者の申告内容と確認結果の間に何らかの相違が見つかっています。

この割合はKCCの受託案件に限った内部集計であり、日本の転職者全体を示す統計ではありません。集計は現在も継続しています。

相違の中で特に多いのが、在籍期間と勤務形態です。

実際には業務委託や契約社員だったにもかかわらず、職務経歴書では正社員として記載されているケースがあります。直近の勤務先より、前職や前々職を確認した際に判明することが多く、IT、システム開発、エンジニア、制作など、案件単位で働くことの多い職種で目立ちます。

業務委託だったこと自体に問題があるわけではありません。そこで担当した仕事や身につけたスキルも、正当に評価されるべきです。

ただ、雇用契約がなかったにもかかわらず正社員と記載すれば、企業が受け取る印象は変わります。組織内での責任範囲、評価制度、部下の管理経験、在籍の継続性まで、実態以上に見える可能性があるためです。

バックグラウンドチェックは、違いを見つけて候補者を落とすためのものではありません。

採用後に「聞いていた経歴と違う」という事態を避けるため、確認できた事実を企業と候補者の間に置き、説明が必要な部分を明らかにする手続きです。

違いがあったかどうかだけではなく、なぜ違ったのか。その説明に納得できるか。任せる仕事に影響する内容なのか。

採用判断で本当に見るべきなのは、そこです。

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