ネットやニュースを見るたび、治安が悪くなった、詐欺の手口が巧妙になっていると感じる方が多いのではないでしょうか。何しろ一国の首相が「物騒な世の中になった」なんてこぼされるくらいです。
一方、ひとたび、悪事や問題行動が露見すると政治家、芸能人、企業、一般人を問わずあっという間に拡散されて大炎上します。より清廉性が求められる時代になりました。今やコンプライアンス遵守の重要性、そして不祥事に対する社会的批判の厳しさは、どの企業様もご存じのとおりであります。
その人的リソースの選別、マネジメント、リスク防止の有効な手段として、採用候補者のバックグラウンドチェックを行う人事がかなり増えています。弊社のプロフェッショナルな各種調査は、最近人気急上昇なSトク、SNSチェック以外にも、反社データベースとの照合、犯罪歴や破産歴、過去の退職理由、全職場での評判、私生活など、広範囲を網羅できます。
今回取り上げるのは、「近隣調査」という手法です。もし今回この近隣調査を行っていなければ、あの事件のように顧客への強盗殺人事件や窃盗が起きた可能性もあります。
【お客様が求めているのは安全安心】
今回のクライアント様は高級住宅メーカーです。顧客のこだわりを取り入れたデザイン、高い技術と質の良い材料を用い、量産されている建売住宅とは一線を画した製品を供給販売。着実に売上を伸ばしていらっしゃいます。
富裕層をターゲットとする企業として、昨今の治安の悪化、解体や建築業界に増えている違法業者、(金融、サービスなどの)営業社員による顧客の個人情報流出や顧客への犯罪などを強く懸念しておられます。顧客からの信頼度の維持と事業拡大に向け、懸念人物を入社させないためバックグラウンドチェックをしっかりと行いたいとのご要望でした。
【響きわたる怒号 タチの悪い取り立て屋と思しき男は身内だった】
今回バックグラウンドチェックを行うにあたり、採用候補者の本人及び申告されている家族に「近隣調査」も行ったことは大正解でした。犯罪歴なし、奨学金以外の借金もなし、長年公共交通機関で運転手として真面目に働く父により家のローンは返済済、家族仲も良好と、何の問題もない平凡な家庭に見えたのですが…
近隣に丁寧に聞き込みしたところ、SNSチェックさえ知り得なかったことがわかったのです。時々、人相の悪い50代の男性が単独で、あるいは取り巻きのような男性1、2名を連れやってきては大声を出し、採用候補者本人の父と揉めていると聞いた時には、借金はなかったはずなのにどうしたことかと不思議に思いました。何か他のトラブルに巻き込まれているのだろうか、何故警察を呼ばないのか、疑問に思いながら更に調査を進めたところ、その人相の悪い男性は、叔父、つまり本人の父の兄だったのです。
叔父は反社会的勢力との繋がりが現在もあり、実は父も若かりし頃、兄やバイト先の絡みで反社に片足を突っ込んでいたということ、兄弟間で金銭や親からの相続などを巡って諍いがあることも、近隣調査でわかりました。「借りを返せ」などと罵っていたのは、そういうことだったのです。
本人ではなく過去の父や、別居の叔父のことではありますが、反社会的勢力との繋がりはコンプライアンス違反に繋がります。またクライアントが求める事業拡大や顧客の安心感にとってネックとなる為、報告させていただきました。
【SNSチェックだけでは把握できないリスクもある】
バイトテロや寿司ペロ事件、最近では某テレビ局の元アナウンサーと元ジャニーズタレントの件など、SNSの拡散力とリスクを目の当たりにすることが多々あります。また比較的手軽なこともあり、採用候補者や従業員につきSNSチェックを行う企業様は非常に増えました。確かにSNSチェックは有用です。
しかしながらSNSはあくまでもSNS。SNSをやっていない人もいますし、周りからの評価(周りへの迷惑度)や、犯罪歴や破産歴、今回のように身内に反社がいるかなどはSNSだけで確定するのは難しいです。複数の調査方法を組み合わせることによって、漏れのないチェックが可能になります。
【少しでも早く炎上の芽を摘むことがコストパフォーマンス的にも優れている】
実際に「採用候補者または従業員の不適切な行動」を発見し対処した場合、
次の3つの時点で時間的コストと金銭的コストがどれくらい異なるかを比較してみましょう。
1、採用を決める前にSNSチェックを行い、著しい問題があったため採用を見送る場合
2、採用決定後入社前に問題が発覚し、採用を取り消す場合
3、採用後、当該従業員が不適切行動をしたため問題が起きた場合
【企業調査センターが貴社のためにできること】
仕事の能力の有無だけでなく、人格に問題がないか、ネットリテラシーに問題ないかというところまで、会社は気にしなければならない時代なのです。そもそもこの採用時のチェックは「米国では95%の企業が行っている」バックグラウンドチェックとほぼ同種のものです。
バックグラウンドチェック、採用時のチェックを重視すべき理由には、次の2つがあります。
・バックグラウンドチェックを行わず、不適切な人物を採用し不適切な業務に配属し、事故や損害が起きた場合、雇用主にNegligent Hiring(過失採用、怠慢雇用)という責任が問われることがある。
・採用にかかるコストは高いが、誤った人物を採用してしまってから解雇するのはより難しくコストやリスクが高い。
【採用前のリサーチ・現職員へのリサーチについて、ご相談は当社へ】
企業様にとって多大な損害を防ぐため、上記で紹介したように、当社ではSNSチェックをはじめとした様々なリサーチを承っております。
例えば、Sトク(SNS特定サービス)について解説しますと、このサービスではリサーチの過程で過去の違法行為や、あるいはそれ以上の問題が確認されることがあります。それだけでも「問題あり」と判断するには十分かもしれませんが、そこまでのリサーチ過程で浮上した不審な人物について、反社チェック(オプション)データーベース上で照会することによって、犯罪歴や反社会的勢力との関わりまでしっかりと確認することができます。