今回のクライアント様からのご依頼は、新卒及び第二新卒のSNSチェックでした。と言いましても、新卒採用は昨年中にとうに終わっており、今回は追加での二次募集でございました。
少子化が進むにつれ、人手不足は顕著になっています。特に製造、運輸、建築などの業界では、最大の問題と化しています。
そんな中、クライアント様では新しい部署を立ち上げることになり、この期待の部署を引っ張っていける人材を求めて、いつもより学歴や成績にとらわれない中途採用を行いました。その際に、採用候補者に対しSNSチェックを行うことに決めたのです。果たしてその結果は…。
【大胆に、慎重に、これからの採用に欠かせないバックグラウンドチェック】
人手不足とコンプライアンス。より砕けた言い方をすると、どこまで完璧に近い人物を求めるか。この命題は経営者や採用担当の悩みの種です。
最近のネット社会は、何か不適切なことがあればあっという間に拡散し炎上します。また社会全体が他者に厳しく、問題を起こした本人だけでなく周りに対しても責任追及する傾向があります。よく言えば清廉性が求められる時代になったということでしょう。
またパワハラ、セクハラ、ブラック企業についてもSNSの発信を皮切りに、Xのガ◎ソ砲などフォロワー数の多いアカウントに取り上げられることで、会社側が内内で処理しようとしてもできない、メディアがSNSを後追いするといった現象が見られます。今やコンプライアンス遵守の重要性、そして不祥事に対する社会的批判の厳しさは、どの企業様もご存じのとおりです。
従業員がそのような火種となる人物でないか、しっかりと人的リソースの選別、マネジメント、リスク防止を行いたい。そう考える反面、企業のチャレンジ、成長、活動には、外部から優秀な人を入れたり、社内でも成長途上の人物の伸びしろを見込んで抜擢する必要が、厳しい経済競争と少子高齢化による人材不足の状況下にはあります。この矛盾のバランスをうまくとる有効な手段として、採用候補者のバックグラウンドチェックやSNS調査を行う人事が実に増えています。
弊社のプロフェッショナルな各種調査は、最近人気急上昇なSトク(SNS調査)以外にも、反社データベースとの照合、犯罪歴や破産歴、過去の退職理由、全職場での評判、私生活など、広範囲を網羅できます。また履歴書や面談の本人申告だけではわからない、「本当に採用すべき人物か」が見えるSNS調査で、自社の利益を守ることが可能なのです。
【その退学理由、言えませんよね】
今後、力を入れていきたい分野の為、採用候補者の学歴や大学名にとらわれず、また学校の成績や面接の印象だけでなく本人の個性や趣味なども評価して採用された今回の試み。採用のバーを下げた代わりにSNS調査を行いたいとのご依頼でした。SNS調査は本人の普段の顔がわかる調査です。裏アカは特に、裏の顔、本音、真の人柄がわかります。これは学校の成績、筆記試験、短時間の面接だけで知ることはできない面です。今回の調査では対象者のうち1人に懸念が見つかりました。
F君は都内の私立大学経済学部を中退しています。今風の男子で、若干チャラそうな印象はあるが、大学の偏差値も50、母が女手一つで一生懸命育ててくれたと話す好青年。面接の印象は良かったそうです。
まず大学中退の理由が、本人の申告と相違していました。本人の申告では、家庭事情(母子家庭のため経済面)とのことでした。ところが実際は、バイト先の塾で、本人が教え子の女子高生に対し不適切な行為をしていたことが引き金だったのです。被害生徒が友人や家族に相談し、発覚しました。コンプライアンス違反で塾からは退職に追い込まれていたのですが、内容が悪質だったため、さらに警察沙汰にもなっていました。その具体的な内容はプライバシー保護のためここでは割愛しますが、非常に利己的で、今後の彼の行動にも不安が残ります。
また本人の裏裏アカというべき第三のSNSアカウントからは、当該女子高生だけでなく、これまで何人もの塾生徒や他のバイト先の同僚である女子高生に狙いをつけていたことまで判明したのです。
いろんなタイプの才能を集め、伸び伸びと、力を合わせてチャレンジしてもらいたい。そのような思いで新しい採用基準を設定したのに、このような人物が紛れ込んでしまいました。彼を採用した場合、今後の行動によっては違法行為や大炎上となりかねません。懸念事項として報告いたしました。
【SNS調査+リファレンスチェックのダブル活用がおすすめ】
この世に完全な人間など存在しません。しかしながら一人の強烈なトラブルメーカーは、せっかくの人材を、そして企業のブランドイメージを潰してしまうことがあります。最近お問い合わせが多いのは、SNS調査です。バイトテロや寿司ペロ事件、最近ではハチミツ体液混入事件など、SNSの拡散力とリスクを目の当たりにすることが多いからでしょう。
またSNS調査は比較的手軽なこともあります。採用候補者だけでなく現職従業員についてもSNS調査を行う企業様が、非常に増えました。確かにSNS調査は有用です。弊社でもSトクプランを推奨しております。
しかしながら、SNSをやっていない人もいます。全てをSNSだけで確定するのが難しいこともあります。複数の調査方法を組み合わせることによって、漏れのないチェックが可能になりますが、特にその人の人間性を知りたいという場合におすすめなのがこのSNS調査+リファレンスチェックのダブル活用です。
【少しでも早く炎上の芽を摘むことがコストパフォーマンス的にも優れている】
実際に「採用候補者または従業員の不適切な行動」を発見し対処した場合、
次の3つの時点で時間的コストと金銭的コストがどれくらい異なるかを比較してみましょう。
1、採用を決める前にSNS調査を行い、著しい問題があったため採用を見送る場合
2、採用決定後入社前に問題が発覚し、採用を取り消す場合
3、採用後、当該従業員が不適切行動をしたため問題が起きた場合
【企業調査センターが貴社のためにできること】
仕事の能力の有無だけでなく、人格に問題がないか、ネットリテラシーに問題ないかというところまで、会社は気にしなければならない時代なのです。そもそもこの採用時のチェックは「米国では95%の企業が行っている」バックグラウンドチェックとほぼ同種のものです。
バックグラウンドチェック、採用時のチェックを重視すべき理由には、次の2つがあります。
・バックグラウンドチェックを行わず、不適切な人物を採用し不適切な業務に配属し、事故や損害が起きた場合、雇用主にNegligent Hiring(過失採用、怠慢雇用)という責任が問われることがある。
・採用にかかるコストは高いが、誤った人物を採用してしまってから解雇するのはより難しくコストやリスクが高い。