新卒採用におけるSNS調査を、なぜ自社だけで抱えるべきではないのか

  • 新卒採用において、SNS調査の必要性を感じる企業は確実に増えています。一方で、その運用を人事部門だけで正確かつ継続的に行うことが、本当に可能なのか。ここを冷静に考える必要があります。
  • まず、確認すべき前提があります。貴社は、現在の20〜22歳が使っているSNSの実態を、正確に把握できているでしょうか。数年前まで主流だったSNSと、今の新卒世代が日常的に使っているSNSは明確に異なります。この変化を理解しないままSNS調査を行うと、「見ているつもりで、何も見えていない」状態に陥ります。今の新卒世代、とくに20〜22歳にとって、最も“素が出やすいSNS”は Threads です。Threadsは、意見表明の場ではありません。バズを狙う場所でもありません。多くの場合、考えを整理せずに出した言葉が、そのまま残る場所です。軽い愚痴、他人への一言、ルール違反を笑う感覚。こうしたものは、作り込んだプロフィールや面接の受け答えには出てきません。
  • しかしThreadsでは、無意識の判断や倫理観が文章として残ります。採用の観点で重要なのは、発言の正しさではなく、どういう感覚で物事を扱っているかです。ここが、Threadsを見る最大の理由です。
  • 次に、生活の空気感がそのまま出るSNSがあります。それが BeReal です。BeRealは加工できません。通知が来た瞬間の状況が、そのまま写ります。飲酒の場、喫煙の空気、深夜の集まり。ここで見るのは、生活スタイルそのものではありません。未成年飲酒や喫煙を、どれだけ軽く扱っているか。この感覚は、履歴書にも面接にも出てきませんが、BeRealには写り込みます。短尺動画を中心とする TikTok では、別の判断軸が見えます。面白ければやっていいのか。周囲に迷惑がかかっても、ネタとして消費するのか。迷惑行為に対して、止める側なのか、煽る側なのか。TikTokは、行動の線引きがどこにあるかを確認する場です。
  • 一方で、X の扱いは明確です。今の20〜22歳にとって、Xは「発信する場所」ではありません。見る。情報を拾う。炎上やニュースを確認する。この用途が中心です。
  • そのため、Xに投稿があれば参考にはなりますが、人物評価の主軸に置くのは適切ではありません。採用の現場では、「あれば確認する」「なければ問題にしない」。この距離感が、現実的です。ここまでを踏まえると、SNS調査の難しさは明確になります。見るべきSNSが変わり、判断すべきポイントが細かくなり、しかもその判断には法令やプライバシーへの配慮が常に伴います。これを、人事部門が通常業務と並行して行う。担当者ごとに基準が異なる。記録の残し方も統一されていない。この状態でSNS調査を内製すれば、判断のブレと説明不能リスクが必ず生じます。
  • だからこそ、SNS調査を外部の専門業者に委ねる企業が増えています。ここで重要なのは、誤解しないことです。専門業者に任せるメリットは、調査の精度ではありません。本当の価値は、調査範囲と基準が事前に明文化されること。事実のみが時系列で整理されて戻ってくること。
  • そして、第三者による調査記録が残ること。この形であれば、採用可否の判断は企業側が行いながら、「なぜその判断に至ったのか」を後から説明できます。SNS調査の外注は、候補者を疑うためのものではありません。人事が責任を逃れるための手段でもありません。採用判断を、個人ではなく組織として背負うための仕組みです。新卒世代のSNS環境は、これからも変わり続けます。その変化を追い続けながら、判断基準と記録を維持する。これを自社だけで抱え込むことが、最もリスクの高い選択になりつつあります。
  • 新卒採用において、SNS調査を導入すべき業態はどこか

  • 新卒採用でSNS調査を検討する際、「本当に自社の業界で必要なのか」という疑問は必ず出てきます。
  • 結論から言えば、その必要性は企業の考え方ではなく、業態の構造で決まります。
  • とくに、採用後に問題が発覚した場合、人事が説明責任を強く求められる業界ほど、SNS調査の重要度は高くなります。

【1位】教育・保育・学習支援業界

  • 学校法人、学習塾、保育園など、未成年と日常的に接する業態では、未成年飲酒・喫煙や迷惑行為の過去が発覚した時点で、「なぜ採用したのか」という問いを避けることはできません。一度問題が起きると、責任は個人ではなく組織全体に及びます。この業界において、SNS調査を行わない新卒採用は、ほぼ無防備な状態と言っていいでしょう。

【2位】医療・介護・福祉業界

  • 病院、クリニック、介護施設、福祉事業では、命、身体、個人情報を扱う立場である以上、倫理観や法令意識が厳しく見られます。軽いノリの投稿や過去のSNS発言が、患者や家族の不安に直結することも珍しくありません。実際に、採用後に現場から「配属できない」と判断されるケースも起きています。この業界でのSNS調査は、現場を守るための確認作業です。

【3位】小売・飲食・接客サービス業界

  • チェーン店、商業施設、ホテル、飲食業など、顧客との距離が近い業態では、炎上までのスピードが非常に速い。迷惑行為や悪ノリ動画が拡散されれば、個人の投稿がそのまま店舗やブランドの問題になります。とくに未成年飲酒・喫煙の過去は、ブランド価値を直接的に損なう要因になります。

【4位】IT・広告・クリエイティブ業界

  • IT企業や広告、制作会社では、SNSでの発信が業務と地続きになりやすいという特徴があります。個人の軽率な投稿が、「会社としての姿勢」と受け取られる場面も少なくありません。ThreadsやTikTokでの言動が後から掘り返されることもあり、SNS調査を行わない場合、リスクを社内に抱え込む形になります。

【5位】公的性格の強い業界

  • インフラ関連、準公共団体、その関連企業では、社会的信用そのものが事業の基盤です。「若気の至り」という説明は通用せず、採用判断の透明性を必ず問われます。この業界では、内部調査だけでは納得されにくく、第三者による確認の有無が説明力を大きく左右します。

補足:優先度が比較的低い業態とは

  • 完全なBtoBで顧客接点が限定的、対外的な発信や露出がほとんどなく、配属リスクが低く即時説明が可能。この条件がすべて揃っていない限り、「うちは大丈夫」という判断は成立しません。
  • 新卒採用において、SNS調査を導入すべきかどうかは、企業の姿勢ではなく業態の構造で決まります。上位に挙げた業界ほど、
  • • 問題発覚が早い
  • • 炎上が広がりやすい
  • • 人事が矢面に立たされやすい
  • だからこそ、**新卒採用 × SNS調査は「選択」ではなく「前提」**になりつつあります。

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