人材の流動性の高い昨今では、中途採用市場における採用コストの高騰化が進んでいます。大手の人材紹介会社に依頼をすると、一人当たりの採用コストが100万〜200万かかることも珍しくありません。しかしながら、巨額を投じて確保した人材が全く戦力にならないということもあり、企業としては採用の失敗のリスクと常に隣り合わせの中で採用活動をしているともいえます。

即戦力となるような優秀な人材を確保したいと願うのは企業であれば当然のことですが、理想とは裏腹に採用にかける予算には限界があります。そこで、採用の失敗を避けるために、入社時の履歴書調査を検討してみてはいかがでしょうか。

履歴書調査では履歴書に記載されている経歴や職歴などが正しいものかどうかを厳しくチェックします。履歴書は入社後のパフォーマンスを推し量るものであり、記載されている情報の信憑性が重要です。今回のコラムでは、入社後のミスマッチを回避するための履歴書調査とはどのようなものか、チェックポイントなども含めて詳しくご紹介します。

履歴書で内容を詐称されやすいポイント

1、企業の在籍期間の詐称

履歴書の中に空白期間があると、懸念事項を抱えているイメージを持たれることがあるので、前後の企業の在籍期間を詐称して空白期間をなくす/短縮する人もいます。企業の在籍期間を数ヶ月延長するような軽微な詐称から、1年を超えるような詐称もあるので、注意が必要です。

2、職務内容・役職の詐称

職務内容や役職の詐称もよく見受けられます。実際はアシスタントだったところをコンサルタントと詐称したり、リーダーや主任だったところを管理職と詐称したりと、業務内容や役職を少しだけ誇張するような詐称は多いです。

3、雇用形態の詐称

アルバイトやパートだったところを正社員とする、あるいは契約社員だったところを正社員とするような詐称も珍しくありません。こちらも業務内容や役職の誇張と同様に全くの虚偽ではないですが、詐称は詐称です。

過去の履歴書詐称事例

ここでは、過去に企業調査センターが履歴書調査を行った中で発覚した履歴書詐称の事例をご紹介します。

事例1

ご相談いただいた企業様は、法人営業経験のある社員を募集していました。応募のあった候補者は、前職で法人経験があるということでしたが、面接の過程で違和感を感じた採用担当者から履歴書調査の依頼を受けました。そこで、前職へのヒアリングを行ったところ、候補者は法人営業ではなく、個人向け営業だったことがわかりました。

事例2

飲食店の経営者の方からご相談をいただきました。そこの店舗では店長の退職に伴う店長候補として店長経験者を募集していたのですが、応募のあった候補者の履歴書調査を行ったところ、店長ではなく実際は副店長だったことがわかりました。

事例3

ある応募者の履歴書には現職在籍中と記載がありましたが、履歴書調査を行ったところ既に退職していたことがわかりました。

事例4

ある応募者の前職歴が6か月間在籍とありましたが、履歴書調査を行ったところ驚くべきことに1日で辞めているという事実がわかりました。

履歴書の正誤をどうやって調査する?

履歴書詐称はどのように見抜けるのでしょうか?ここでは企業調査センターが行っている履歴書の正誤を見分ける方法をいくつかご紹介します。

1、履歴書の申告通りかどうか前職の人事部又は総務部へ電話確認

直接弊社調査スタッフが前職に電話し、ヒアリングを行います。昨今では雇用調査の一種である「リファレンスチェック」も徐々に認知度が高まってきており、対応してくれる確率はかなり高いです。

2、リファレンスチェック時に職務内容・役職の事実確認

弊社でリファレンスチェックを行う際に、対象者(候補者)の勤務態度だけではなく経歴部分についても確認を行います。

3、ネット調査で所属部署、時期、役職の確認

インターネット上に何らかの前職の情報が出ている場合もあるため、ネット調査も併せて行い整合性を図ります。

4、SNSのプロフィールに記載の所属企業名、退職時期

インスタグラム(Instagram)やツイッター(Twitter)などのSNSアカウントを持っている人は多いので、SNSのプロフィールや投稿内容から前職の企業や退職時期などを探ることも可能です。

まとめ

中途採用では履歴書と職務経歴書で候補者のおおよその情報を得ます。書類選考から面接へと進む過程で記載されている情報を深掘りしていきますが、そもそも記載されている内容が虚偽だった場合には、その後の選考が成立しなくなってしまいます。

履歴書は候補者の経歴や志望動機などを確認する手段でもありますが、同時に相手が嘘をつく人間かどうかを確認する手段にもなり得るのです。 在職期間や退職時期の虚偽などは些細なことにも思えるかもしれませんが、「嘘をつく人間」という点では採用に高いリスクを伴うことだといえます。 一事は万事とは言いますが、採用時の小さな嘘がやがて大きな嘘を招くことも考えられます。企業が社員のリスクを負わないためにも、採用時の履歴書調査を行って安心を手に入れてはいかがでしょうか。

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