フロント企業を知っていますか。
ドラマや映画などで耳にしたことがある方もいらっしゃるかもしれませんが、フロント企業とは一昔前は企業舎弟などとも呼ばれ、反社会勢力が資金調達のために経営する企業のことをいいます。

フロント企業はドラマや映画の世界だけの話ではなく実際に存在しています。芸能人など特定の業界に属する人たちとの繋がりは知られるところですが、私たちの身近にある様々な業界にもフロント企業あるいはフロント企業と関わりが深い企業が存在するので注意が必要です。

健全な経営を行なっている一般の企業にとってフロント企業と付き合うことは大きなリスクになり得るので、新しく取引を始める企業や中途採用者の前職の企業などが、実はフロント企業だったという事態は絶対に回避しなければなりません。

そこで今回は、弊社がこれまでに数多くの企業に対して反社チェックを行ってきた経験から、フロント企業の見抜き方を特別にお教えします。

フロント企業を見分けるポイント

1 登記簿謄本確認

現在の登記簿謄本だけではなく、過去まで遡って登記簿謄本を確認する必要があります。過去に事件を起こしている場合、社名・住所・役員名を変更して再利用しているケースがあるため、過去の閉鎖登記簿を辿っていくことがフロント企業を見分ける一つの方法になります。

2 現地確認の実施

企業の所在地に出向いて現地確認をします。企業そのものに問題がなかったとしても、他の企業の一部スペースを間借りしていて、その企業に問題があるというケースもあります。現地に行って見受けられた他の企業名や個人名などに手がかりがないかを確認するのも一つの方法です。

3 聞き込み、ネット調査

同業他社などに聞き込み調査やネット調査などを実施し、風評確認する方法もあります。
もし、先方がフロント企業だった場合、先方も露呈しないように日常的に様々な対策をとっているため見極めることは困難ですが、先方の企業に訪問した際の担当者の様子などから不審な点を見出すことは可能です。少しの違和感や不信感は電話やメールでは得られないので、フロント企業かどうか確かめるためには一度先方へ訪問することを推奨します。

調査事例

依頼主:大手イベント運営企業様


依頼背景:取引先でもあるモデルなどをアサインする会社がフロント企業の疑いがあるという噂があったことから、調査を依頼されました。取引先企業の担当者の様子は至って普通だったようですが、代表者が反社会勢力と繋がりがあることを懸念されていました。


調査の流れ:
調査対象となる企業の現地確認、出入りする人物、代表者、謄本など、企業そのものと社員だけではなく企業と関わりのある人物まで全てを確認しました。
現地確認を実施した結果、謄本上の所在地には他の企業が入っており、一部を間借りして営業していることが確認できました。
また、ネット調査にて代表者の悪評や既に閉鎖されている過去の会社情報を入手しました。その企業は何度も名前を変えて起業しており、既に何らかの方法で削除はされていましたが、過去の会社の痕跡をネットやSNSからいくつかピックアップすることができました。それらの中には、金銭トラブルの際の取り立てのようなことを実施している内容が含まれていました。
さらに、同業他社に取材調査を実施し、評判など聞こうとしましたが、「関わりたくない……」「ちょっと話はできない」など、調査対象の企業への恐怖心を抱いている様子が確認できました。

現地調査では、謎のベールに包まれていた代表者を数回だけ捕捉することができました。
かなり強面の容姿で高級車に乗っていました。これまで容姿は誰もわかっておりませんでしたが、容姿や態度を見る限り一般的な人物ではないと推測できました。また、代表者は周囲に対して異常な警戒心を抱いていることもわかりました。

容姿が把握できたことでメディア記者を利用して本人確認を実施しました。結果として、代表者は反社会勢力と繋がりがあることが確認されました。通常の反社チェックで出てこなかった理由としては、代表者は反社会勢力に一時は在籍していたようですが、ビジネスの為に現在は抜けていたようです。界隈ではそれなりに有名な人物である情報も掴み、調査は終了となりました。

費用目安

登記簿謄本調査、ネット調査、関係者の調査などすべて含み150万円~200万円となります。弊社は、調査の効率化からまずはネット調査のみを行い、そこからあたりをつけて詳細調査に進む方法をとっています。このようにすることで、無駄な調査がなくなり、初期費用を抑えることができます。

まとめ

昔ながらの企業舎弟とは異なり、現代のフロント企業は一見普通の企業を見分けがつかないほど洗練されていて巧みに本性を隠しているところが多いです。それは同時に、健全な経営をしている企業が知らず知らずのうちにフロント企業と関わりを持ってしまう可能性が高いということでもあるのです。

私たち企業調査センターのミッションは、クライアント企業様の「人材」「取引先」に関する2つのリスクを解決することです。これから取引を開始する予定の企業に対して少しでも違和感を感じたら、まずは私たちにご相談下さい。